以前、我が家に『猫アレルギー』の友人が遊びにきました。当日、愛猫にはケージに入ってもらい、家じゅうを徹底的に掃除しました…が、到着してすぐ「くしゅんっ!」10分後には目が充血し、かゆみと涙で「ごめんねごめんね」と言いながら友人は撤退。ああ~ダメだったか。
病院でアレルギーの検査をしてもらい、犬や猫がダメと言われたら、ワンニャン好きの人は、がっくりきちゃいますよね。一生、飼えない…?いいえ、そんなことはありません!
ペットアレルギーの原因
ペットアレルギーと聞くと、真っ先に思いつくのは『抜け毛』でしょうか。確かに、もともと喘息持ちの人が、動物の毛で症状がひどくなる例などはあります。ですが、抜け毛そのものがアレルゲン、というわけではありません。
アレルギーを引き起こすのは、抜け毛についてくるペットの皮膚やフケ、だ液に含まれているCanf1やCanf2(犬)、Feld1(猫)などのタンパク質です。ややこしいことに、それ自体が何ともなくても、外に出て細菌に触れるとアレルゲンに変化してしまう、という現象もあります。ワンコやニャンコは、自分の匂いをつけるためにおしりをこすりつけますよね。その匂いのもと、肛門嚢液にも、アレルゲンとなるタンパク質が含まれています。
アレルゲンに接する機会をへらしましょう
他のアレルギーと同じように、ペットアレルギーも、アレルゲンにできるだけ触れないことで対処できます。
- ペットのシャンプーをこまめにする
- 居住スペースを分ける
- 空気清浄機を置く
- ペットが体をこすりつけたところを拭く
- 舐められたらすぐに洗う
などを心がけることで、症状はだいぶ、おさえることができます。
家じゅうをまめにお掃除するのは大変。でも、手元にコロコロを置いて、気が向いたら自分のまわりをコロコロするだけで違います。最初にご紹介した失敗談は、『掃除機で抜け毛を吸っただけ』だったからだと思われます…反省。
ワンコにもニャンコにも個性があります
中には、え?アレルギーって言われたけど別に何ともないよ?という人がいます。その理由は、アレルゲンとなるタンパク質にも『個体差』があるからです。
特に、ワンコやニャンコが自分の匂いをつけるためにこすりつける『肛門嚢液』。1匹1匹、成分がビミョーに違います。アレルギーの原因が、その特定のタンパク質であれば、それは簡単に回避できます。
病院の検査では、そんな細かいことは調べてくれません。そこで、
まずは2時間の『おためし』を
ワンニャンと暮らしてみたいと思ったら、そのコと同じ空間で、しばらくいっしょに過ごしてみましょう。早い人は、あっという間にアレルギー症状が出てきます。でも、2時間たっても何も起こらなかったら…そのコはだいじょうぶ、な可能性が高いです。
人間も、少しずつ慣れることができます
ペットアレルギーがあったのに、いっしょに暮らすうちに平気になった、という話を聞いたことはありませんか?急にではないけど、舐められてもあまりかゆくなかった、撫でてみたらなぜか何ともなかった、から始まって、抱っこまでできちゃった!なんていう飼い主さんもいました。アレルゲンを、ほんの少しずつ体に入れることで症状を軽くする『減感作療法』と同じことが、飼い主さんの体の中で起こったと考えられます。
最近では、犬や猫の体内で作られるタンパク質の研究が進み、アレルギーのしくみも解明されつつあります。そうなれば、愛犬・愛猫のお腹に顔をうずめ、モフモフすることも、夢ではありません。重症化に気をつけながら、気長に、希望をもってつき合ってみましょう。
まとめ
ペットアレルギーの原因は、ワンニャンが体内で作り出す様々なタンパク質です。アレルゲンとの接触をできるだけ避けながら、いっしょに暮らすことは可能です。自分と相性のよいペットに、意外なところで出会えるかもしれません。もちろん、無理は禁物ですが、一生ペットは飼えないんだ、と絶望せずに、少しずつ、仲良くなってみてください。