猫のジャンプ力って、すごい！何でこんなに飛べるの？

どれくらいの高さまでジャンプできるの？

一般に、猫は自分の体高の５倍の高さまで飛べるそうです。猫の体高は、平均で２５ｃｍから３０ｃｍくらいなので、その５倍だと1.25ｍから1.5ｍもジャンプできる計算です。

つまりダイニングテーブルや、キッチンカウンターにジャンプするのはお手のもの。

私の友人が飼っている猫ちゃんは、キッチンの床から、カウンターへジャンプして、そこから冷蔵庫の上、そして吊り棚の上へと、トン、トン、トンとジャンプするそうです。

つまり彼の体の２倍以上の高さを平気でジャンプするんです。しかも、助走なし。

ジャンプする前は、目標を見定めるように、じっと行く先を見つめますけど、飛ぶと決めたら、スッと・・・飛ぶのみ。

シニア猫になった今では、冷蔵庫の上にはめったに登らなくなりましたが、お気に入りの暖炉の上には、低めの猫タワー経由で、今もよくジャンプしているそうです。
もう亡くなられた猫ちゃんですが、おもちゃで遊んでいる時にも、驚くようなジャンプ力を発揮して、友人を驚かせたこもあったそうです。

どうしてそんなに高くジャンプできるの？

それにしても、猫は犬と違って、どうしてこんなにジャンプ力があるんでしょうか？

後ろ足の筋肉が発達している

猫の後ろ足には、瞬間的にとても強い力を出せる「速筋」という筋肉があり、それが猫の優れたジャンプ力の秘密です。

この筋肉のおかげで、高い木に飛びついたり、獲物にジャンプして飛び掛かったり、短い距離を全速力で走ったりできるんです。また、猫の後ろ足は、前足に比べて長く、この長い後ろ足をバネのように深く折り曲げて伸ばすことにより、体高の５倍近い高さにまでジャンプできます。

体が柔らかい

猫は体が柔らかいですよね。この体の柔らかさと背骨のしなやかさのおかげで、ジャンプする時背筋力を最大限に使えます。

高い場所にジャンプする時、猫は到達地点を見つめ、力をためるようにして背中も丸めています。この丸くなった姿勢から、瞬発的に地面を蹴り、後ろ足の力と共に、柔軟な背筋をバネのように使うことで、高くジャンプできるんです。

体重が軽い

猫が高く飛べるのには、体重が軽いことも貢献しています。

ネコ科の動物は木登りが得意ですが、ライオンやトラなど大型の動物は、登るのはどちらかと言えば苦手。家猫に近い体型のピューマなどは、木登りが得意です。

ネコは一般的に成猫でも３ｋｇから５ｋｇですから、バネのような筋肉質の体を使えば、高い場所へジャンプするのは、お茶の子さいさいです。

中にはジャンプが苦手な猫も

猫は上下運動が必要な動物で、遠くまで見渡せる高い場所が大好き。だからこそ、ジャンプするんですが、そんな猫でもジャンプが苦手な子たちもいます。

たとえばマンチカンのように足が短い猫は、運動能力そのものが一般的な猫に比べて劣るとされていて、ジャンプ力もしかり。短い後ろ足には、高い場所へジャンプするだけの筋力がありません。

愛猫が最近あまりジャンプしなくなったら

運動が苦手な訳でもなく、これまでジャンプしていた猫が、最近あまり高いところへ登らなくなったら、気にかかりますよね。

猫のジャンプ力が低下する原因には、肥満、病気、老化が考えられます。

太りすぎ

これは残念ながら、子猫の頃は、あちこち登っていた気がしますが、いつの間にやら、ジャンプしても失敗するように・・・　猫ちゃんの名誉のために「見なかったこと」にしてましたけど。

病気

関節炎や爪の異常（割れる、巻き爪）があると、痛みがあり、そのせいでジャンプができなくなる場合があります。

室内飼いだと、ツメが摩耗せずに巻き爪になってしまうことがあります。定期的にツメを切ってあげましょう。

また、猫は関節炎を発症しやすいのですが、飼い主はなかなか気づきません。高い所にジャンプしなくなるなど、いつもと行動が違うことに気づいたら、早めに獣医に相談してください。

 

老化

人間同様、猫も年を取ると筋力が衰えて、若い頃のように高い場所へジャンプできなくなります。これはシニアになれば、仕方ないこと。低いキャットタワーを用意してあげましょう。

まとめ       

• 猫は体高の５倍の高さまでジャンプできる
• 猫のジャンプ力の秘密

1. 後ろ足の発達した筋肉
2. 体の柔軟性
3. 体の軽さ

• ジャンプが苦手な猫もいる
• 猫がジャンプしなくなる原因

1. 肥満
2. 病気
3. 老化

驚異的とも言える野生の本能と身体機能を持ち続ける猫は、ごく普通の家庭で人間と共存する小さな野生動物ともいえます。