甲状腺機能亢進症という病気があります。皆さんはご存じですか?
高齢の猫が発症しがちなのが、甲状腺機能亢進症です。この病気は、高齢(7歳以上)の猫に多くみられる病気で、原因ははっきりしていません。
今回は、アメリカいる友人が、可愛がっている猫ちゃんがこの病気になってしまい、
大変な思いをしていることを、みなさんにお伝えいたします。
また友人の了解も得ていますが、この病気の対処法など、みなさんにシェアできればと思い投稿いたしました。
アメリカのホリスティック獣医の本には「予防注射、市販のキャットフード、投薬などの累積によるのでは」とありますが、定かではないそうです。
アメリカと日本では治療の選択肢に違いがありますが、今回は猫の甲状腺機能亢進症の症状、日本での治療法についてご紹介します。
甲状腺機能亢進症の症状
猫の甲状腺機能亢進症には、明らかにそれとわかる症状があります。
- ひっきりなしに食べ物をねだって食べているのに、体重が増えない、もしくは減る
- 行動がハイパーになる(例:異常な勢いでツメをとぐ)
- 下痢や嘔吐が増える
- 横になって眠っているのに体がバクバク動いている
友人の猫ちゃんには、上記の症状すべてあったそうです。
さっきご飯食べたでしょ?というタイミングで「にゃぁ~(お腹空いた)」。なのに体重はどんどん減って、体を撫でるとあばら骨や背骨がくっきり。
段ボールの爪とぎにお猪口のような深―い穴が・・・。せっかく食べてもよく吐くし、
友人のすぐそばで寝ている時もお腹のあたりがバクバク上下するそうです。
甲状腺機能亢進症の治療方法は?
日本での治療方法の主流は、ふたつ。内服薬を与える、または手術による甲状腺の摘出です。
内服薬の場合
その猫の甲状腺機能亢進症がどの程度進んでいるかによって、必要な内服薬の量が変わってきます。適量を見つけるまで、微調整が必要になり、その過程で副作用が出ることがあるので、信頼できる獣医さんと連携することが大切です。
上手なお薬の飲ませ方は、こちらの動画で学べます。
甲状腺摘出手術の場合
甲状腺機能亢進症は高齢猫に発症することが多い病気です。よって、手術をする場合、一番心配なのは、高齢な猫への麻酔の危険性です。また、甲状腺機能亢進症を持つ猫は、ハイパーな身体的活動のせいで、心臓に負担がかかっている場合が多く、これも麻酔に対するリスク要素になります。
そして、内服薬、手術、どちらを選んでも、一生涯薬を飲み続ける必要があります。内服薬は症状を軽減するもので、完治するものではありません。
手術で甲状腺を切除すると、甲状腺ホルモンが分泌されなくなるので、内服薬で補充しなければなりません。
つまり残念ながら、薬も手術も、猫の甲状腺機能亢進症を完治することはできないんです。
ただし、多くの場合、薬でコントロールできますので、
この病気で猫が死んでしまう心配はないそうです。
ただアメリカでは、日本ではまだ認可されていない3つめの選択肢があるようで、
それは、放射性ヨード療法です。
友人の猫ちゃんはこの治療をつい最近受けたそうです。現時点では、この方法が唯一猫の甲状腺機能亢進症を「完治」できる治療法だとも言っていました。
日本が放射性ヨード療法を早く認可してくれることを願うばかりです。
おうちでできるサポート
内服治療を選んだ場合、ホリスティックな方法でおうちで治療効果をサポートできます。
- 質のよいフードを、一回の量は少なめにして、一日3,4回与える
- 昆布でとった出汁を食事に加える
- バッチフラワーレメディを与える
お仕事をしている方には、一日3,4回に分けるのは難しいと思いますが、家にいる時間が長いかたは試してみる価値ありです。
昆布でとった出汁は尿の中に出てしまったミネラルを補給するのに役立ちます。
バッチフラワーレメディは、副作用がなく、動物はもちろん赤ちゃんにも使えるほど安全なレメディです。
甲状腺機能亢進症の場合は、下記の3つを混ぜたレメディを作って、食事や水に混ぜるだけです。ハイパー、神経過敏、空腹過多を和らげる効果があります。
- ミムラス:音、光、動きなどに対する恐怖を鎮めます
- インパチェンス:不安な気持ちを和らげます
- エルム:周囲からの刺激に対処するのを助けます
爪とぎ段ボール板を、お猪口が入るほど深く研ぎまくっていた程ハイパーだった友人の猫ちゃんは、このレメディミックスを与えてからは、そんな深い穴を掘らなくなったそうです。レメディが効いたんだと言っていました。
まとめ
- 甲状腺機能亢進症を発症すると、食べても体重が減り、行動がハイパーになり、下痢や嘔吐が増え、心臓がバクバクします
- 甲状腺機能亢進症の治療には、内服薬と手術があります
- 家庭でできるホリスティックなサポートには、食事は少なめで回数を増やす、昆布出汁を食事にプラス、バッチフラワーレメディを与える、があります
猫の甲状腺機能亢進症は、飼い主にとっても一大事。まずは、信頼できる獣医さんを見つけて、相談し、猫ちゃんと飼い主さんの状況にあった治療法を選びましょう。
病を得て、改めて家族としての絆が強まることもあります。
焦らず、できることから始めてくださいね。