最近、ペットにもアレルギーがある、という話を聞きます。特に多いのは、アレルギー性皮膚炎です。かつて、ワンコもニャンコも外で暮らすことがほとんどだった時代は、アレルギーはあまり話題になっていませんでした。犬、猫のアレルギーは、何が原因なのでしょうか。そして、飼い主さんは、どうすればいいでしょうか。

 

犬、猫のアレルギーが増えたわけ

犬や猫のアレルギーは、実は以前からあったといわれています。確かに、ノミやダニが原因のアレルギー性皮膚炎は、昔からあったようです。一方、飼い主さんといっしょに室内で暮らすようになってから、それに伴って、これまでにはなかったアレルゲンに出会い、アレルギーを発症してしまうコもでてきました。例えば、

  • ハウスダスト
  • 特定の食物
  • 化学物質

などは、比較的最近になって、報告されるようになったアレルゲンです。ペットも、人間と同じですね。

 

犬、猫の代表的なアレルギー『アレルギー性皮膚炎』

お宅のワンちゃんネコちゃんに、こんな様子は見られませんか?

  • 身体をかいたり、噛んだりする回数が多い
  • 換毛期ではないのに、抜け毛が多い
  • フケが多い

これは、一般的な皮膚炎にもみられる症状ですが、原因に心当たりがないのに、こんな様子が見られたら、アレルギー性皮膚炎を起こしている可能性があります。特に、ふだんからノミ・ダニ駆除をしているのに痒がるコは、アレルギー性皮膚炎を疑ってみてください。

 

まずはアレルゲンの特定を

 7

 

市販の塗り薬もありますが、ワンちゃん、ネコちゃんに皮膚炎の症状が見られたら、やはり獣医さんに診てもらいましょう。もしかしてアレルギーかも?と思ったら、獣医さんにそう伝えれば、検査をしてもらえます。アレルゲンは、血液検査でわかることがほとんどです。

アレルゲンがわかったら、それによって、飼い主さんにできることが変わってきます。

  • ノミ・ダニの駆除
  • 居住スペースのお掃除
  • こまめにシャンプー

アレルギーへの対策は、症状をおさえることと、原因を遠ざけること、この2本柱になります。皮膚炎を起こしている部分を清潔に保ち、炎症をしずめるためには、塗り薬や飲み薬が使われます。皮膚を清潔に保つためには、こまめに洗って、汚れや皮脂を取りのぞいてあげましょう。シャンプーは、刺激の少ないものを選びます。全身皮膚炎でなければ、やさしく部分洗いでじゅうぶんです。洗いすぎて逆効果にならないよう、注意しましょう。

 

アレルギー対策フードも試してみましょう

食物アレルギーの場合、アレルゲンとなる材料を使わないフードを選ぶことで、症状をおさえることができます。小麦などの穀物、エビ・カニなどの甲殻類を使っていない、アレルギー持ちのコのためのフードが、いろいろ開発されています。

このようなフードは、味や風味も工夫されていますが、一般的なフードに比べると、少々『おいしくない』ようです。獣医さんにお願いすると、お試し用の小袋をもらえるところもありますから、何種類か、食べくらべをしてみるとよいでしょう。

 

それでも食べてくれないコには、手作りであれこれ工夫してみましょう。これなら、という食事が見つかるまでは、飼い主さんはちょっと、たいへんかもしれません。でも、そこまで気むずかしいコは少数派。アレルギー対策フードに、ちょっと手を加えるだけでも違いますよ。

 

早く気づいてケアしてあげましょう

犬、猫のアレルギーのケアは、かゆみを取りのぞくことがメインになります。そして、アレルゲンとの接触を、できる限りなくすこと。うちのコのストレスを軽くして、快適に暮らせるようにしてあげたいですね。